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美の歴史:ヘレナ・ルビンスタインのミニチュアルーム

更新日:2023年9月5日


テルアビブ現代美術館で現在開催中の"美の歴史:ヘレナ・ルビンスタインのミニチュアルーム”(A History of Beauty: Helena Rubinstein’s Miniature Rooms)がとても良かったのでまとめてみます。


ヘレナ・ルビンスタイン(1872年 - 1965年)は、ポーランド系アメリカ人の実業家で、国際的な化粧品とスキンケアブランドのヘレナ・ルビンスタイン社の創業者でした。彼女は美容業界での成功を収め、その富を使って広範な美術と古美術のコレクションを所蔵しています。

女性なら誰しも知っているであろう、化粧品ブランドのヘレナ・ルビンスタイン。

デパートでココシャネル、サンローラン、トムフォードなどと並んで一度は手に取ったことがあるのではないでしょうか。


一方でアパレルブランドを持たないことから、これまでドキュメンタリー等になることもなく日本では彼女の生涯やコレクションについて取り上げられる機会は少なかったように感じます。

今回の展示では近世の主にヨーロッパを中心とした詳細のインテリアがかなり精度の高いミニチュア・模型で表現されています。以下に詳しく見ていきましょう。




19世紀中期 ビクトリア様式 イギリスのリビングルーム





19世紀後期 パリジェンヌのリビングルーム




17世紀イタリアのリビングルーム




17世紀オランダのリビング


床から天井の作り方、窓、家具のひとつひとつまでそれぞれの様式の特徴がこれでもかと散りばめられています。またこれらを一覧してみることによって、個々の個性的な特徴を相対化してみることのできるとても貴重な展示です。

これだけの情報量を詰め込むにはやはり写真やCGでは難しく、ひとつひとつの素材感、そのエイジング度合い、風合い、艶、カラースキーム、装飾のパターンまでを示すとても貴重な展示だと感じました。



18世紀スペインのダイニングルーム

構造架構や装飾、灯り、窓の作り方から当時の人の生活が浮かび上がってきます。

ここではホテルのデザイン等で採用される人気の様式以外にもしっかりとアーカイブされていて、それぞれが不思議な魅力をまとっています。



19世紀 ドイツ ビーダーマイア様式のリビング

19世紀のヨーロッパにおける人口増加と都市化は、機能性とエレガンスを特徴とするビーダーマイア建築を生み出しました。ウィーンの外れのゲイミュラーシュレッセル(Geymüllerschlössel)にこの時代の作品がかなり集まっているそうなので見に行ってみたい。





16世紀 イタリアのリビング



18世紀中期 フランスのリビング



19世紀前期 アメリカのリビングルーム





たまにちょっと怖い人形があるのはなぜ。。。笑




19世紀 素朴なフランスのリビングルーム



この展示に登場する部屋は、1935年に初めてルビンスタインの自宅のサロンで発表されました。これらの作品は、彼女の広大で多様なアートコレクションの中心的な部分を形成し、20世紀の主要な西洋アーティストの作品とアフリカとオセアニアの部族美術を組み合わせました。

これらの部屋は、象牙、貝殻、銀、クリスタル、マホガニー、スズ、絹などの素材を使用した豊かに詳細に仕上げられ、慎重に装飾されています。

ビクトリア様式のダイニングルームのシャンデリア、オーストリアのキッチンのストーブ、モンマルトルのスタジオのコンサートピアノ、ロンドンの古いショップの宝物箱など、家具やディテールの再現度が素晴らしいです。



会場構成は、歴史的な建築物が縦並び、また大きな窓を持ちつつ街から人々の生活・インテリアの様子が見える、テルアビブの街路から着想を得たものです。

建物の窓から見る壮大でユニークなタイムカプセルに目を奪われます。これらのタイムカプセルは、約100年前に広がっていた日常生活のまれな一瞥を提供し、かつて存在したが今はもうない世界を覗く機会を提供しています。 ヘレナ・ルビンスタインは自伝的な本『美のための私の人生』で、「美術評論家や美術愛好家が多くの国々からこれらのミニチュアルームを見に訪れましたが、私はそれを特に子供たちに見せることが楽しいと思っています」と述べています。 これらの部屋は、20世紀初頭に組み立てられました。

展示が楽しすぎて、ここに誰よりも長く滞在していましたが

美術館の年パスを買ったのでまた何回か見に行きたいなと思います。

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